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――ザッと話を進めちゃうけれど、そのスリージー・ラスターが、ヤマハのコンテストで勝ち抜いていったんだよね?

まあ、数度のメンバー・チェンジがあって、デビューするアルージュのラインナップになっていくんだけどね。

でも不思議だなと思うのが、ベースの福田純が慶応高校に行っていて、なにかのつながりがあって、青山学院高校から連れてきたのが、ヴォーカルの山田晃士で、 その友達がドラムの青柳浩一郎だったのね。 大学付属校選抜バンドみたいだったよね(笑)。

そのへんの学校に行っている連中っていうのは遊びが好きだったんだろうね。 だから、いま考えてみると、真剣にバンドをやっているヤツが多かったよ。 やっぱ、大学を受験しなくちゃならないっていう普通の高校生と違って、なんか大学生みたいな感覚だったんだよね、きっと。 当時から、付属高校の学園祭って、大学の学園祭みたいだったし。 そういうなかから集まったわけだからね。

だから、デビューしたときに、そういう連中が集まったエリート的なバンドみたいな書かれ方をしたことがあって、 なんかボンボンのバンドみたいな感じにとらえられたのは、計算違いだったけどね。 まぁ、実際にボンボン連中だったしね。

――すごく印象深かったのが、まだデビュー前のアルージュが大阪で開催された「グランド・メタル」という、 当時活躍していたへヴィ・メタル・バンドが集結したイベントに出演したときに、 次の日が試験で東京に帰らなければならないって言っていたよね。

たしか、日曜日が本番だったんだよね。 スリージー・ラスターからアルージュに改名して初めてのライヴで、その時期にレコーディングにも入っていたんだ。 だから、あれが業界の人たちに対するプレゼンテーションだったし、一般のファンの人に対しては、 いわゆるライヴ・ハウスのたたきあげじゃなく、 レコード会社からデビューする東京のへヴィ・メタル・バンドとしてのお披露目でもあったんだよね。

ヴォーカルの晃士がテスト期間中でね。 帰りのクルマのなかで、ペンライトで勉強していたから。 また、音楽雑誌でもそういうところが記事として取り上げられるんだよね。 そういうネタがおもしろいから、大野さんも書いてくれたんだろうけれど。 それで、“やっぱオレたち、ガキバンドっていうイメージで世の中に出ていくんだろうな”って思ったけどね(笑)。

――それは悪いことをしちゃったね(笑)。

ただ、おもしろかったのは、デビューしたのが18歳のとき。オレが高校を卒業した春にレコーディングして、 84年11月21日にリリースしたんだけれど、実際に活動し始めてライヴとかやってみると、 お客さんたちが同世代だったんだよね。 あえて“ジャパメタ”と呼ぶけれど、当時のジャパメタを支えたファンたちと、オレたちは同じ世代で、 ヘタすれば客席のほうがお兄さんだったりするんだ。 そのなかでやるっていうのは、かなりヘヴィだった。

――当時は、海外でもアイアン・メイデンなんかは同世代の代表みたいな感覚で、ファンに支持されていたからね。

オレたちがよく較べられたのは、デフ・レパード。 デフ・レパードって、10代でデビューしてたんだよね。 だから、カッコよく言えば、“日本のデフ・レパード”なんて書いてくれるところもあったしね。

でも、思えば、ムーヴメントなんていうのは、若いバンドをどんどん出すべきだと思うし、 そこで出てこられた若いバンドだったと思うよね。

――10代でデビューっていうのは、どんな感じだった?

高校に入学したときには、大学に行くつもりはなかったんだ。音楽で真剣にやっていきたかったしね。当時、たしかチャーさんが15歳でスタジオ・ミュージシャンとしてデビューしたっていう話を聞いていて、オレも早くそうなりたいと思っていた。生き急いでいる感じだけど、とにかく早くデビューしたかったのね。高校在学中にデビューを決めたかった。親を安心させたいっていうのもあってね。
――バンド・デビューで安心してもらえるんだろうか(笑)?
橘高:せっかく大学の付属高校にまで入れてもらって、大学に行かない理由が欲しかったんだよね。 不登校の時代に、すごく親に迷惑かけていたことを反省していてさ。 親がかわいそうだと思っていたんだ。

でも、「ビクター・レコードからデビューします」って言えば、 “ああ、東京でそういう道をつかんだのか”って思ってもらえるでしょ。 だから、高校在学中にプロダクションやレコード会社にバンドの資料を送ったりっていうことを、ひと一倍やっていたね。
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